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石の軌道
一也
最近、当サイトのマスターである富さんに自分の一番大事と思える石をプレゼントした。これは一年前の誕生日に恩師からいただいたもので、毎日ジーンズの左ポケットに入れて苦楽と共時性を共にしていたものだ。インスピレーションによって突然、富さんにあげたのだが、いつもこういったときに思うのは、人からいただいた大切なものを、人にあげても良いものかという、一種の呵責である。
今、ふと思い出したのは、初めて買った車から二代目の車に買い換えたときの納車の当日、新しい車が届いた喜びよりも、古い車が去っていくことに、何ともいえない寂しい気持ちを覚え、涙が出てしまった。
石も毎日持ち歩いたり、その存在を意識していると情が移る。一生側に置いておきたいと思ったりする。しかし不思議なもので、おうおうにして大事な石から移動していく。その証拠に富さんが大事にしていた石が、今は私の左手首に来ている。
石は意志に関わらず、惑星の軌道のように移動し、人に渡っていく。宇宙の物質だと思えば元々誰のものでもない。視点を全体に近づけていくことで、もらったり、あげたり、売ったり、買ったりしたときの、その軌道のようなメカニズムを感じることができるのかもしれない。
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